特集 感染症2020―冬のインフルエンザ・夏のオリンピックに備える
特集のねらい
冲中 敬二
1,2
1国立がん研究センター東病院総合内科
2国立がん研究センター中央病院造血幹細胞移植科
キーワード:
東京オリンピック
,
インフルエンザ
,
輸入感染症
,
新興・再興感染症
Keyword:
東京オリンピック
,
インフルエンザ
,
輸入感染症
,
新興・再興感染症
pp.2-4
発行日 2020年1月1日
Published Date 2020/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika125_2
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一昨シーズン,昨シーズンと流行ピーク時の推定インフルエンザ罹患者数は過去最高を更新している.現時点におけるインフルエンザ診療を見直し,これからの流行期に備えていただけるよう本特集を企画した.
また,2018年には外国からの旅行者数が3,000万人を超え,わずか5年で約3倍に急増し,地方都市へのインバウンドも増加してきている.56年ぶりの東京オリンピックが開催される今年は4,000万人を目標としており,大都市のみならず地方における病院や診療所でも予期せぬ輸入感染症に出会う可能性が高まると思われる.南半球からの渡航者の場合には,夏場であってもインフルエンザへの注意が必要となる.加えて,百日咳や重症熱性血小板減少症候群(severe fever with thrombocytopenia syndrome:SFTS)などの昨今注目されるようになった感染症が気になる読者もいらっしゃると思われる.これらの疾患に関する特集も同時に企画した.
本企画が日常臨床における一助となることを期待している.
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