特集 予防医療―包括的な提供を目指して
特集のねらい
-日常診療における予防医学・医療
廣岡 伸隆
1
1埼玉医科大学総合診療内科
キーワード:
包括的予防医療
,
スクリーニング
,
患者教育
,
予防的薬物治療
Keyword:
包括的予防医療
,
スクリーニング
,
患者教育
,
予防的薬物治療
pp.1022-1024
発行日 2020年12月1日
Published Date 2020/12/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika126_1022
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
内科医が日常診療において予防医療に関わることは多い.たとえば,高血圧や糖尿病といった動脈硬化の危険因子をもつ患者が,急性心筋梗塞を発症し地域の基幹病院でカテーテル治療を受けて自院に戻ってきた際に抗血小板薬の投与を継続することは,虚血性心疾患の二次予防の提供という形で予防医療に関わっていることになる.一方で,予防医療は非常に広範囲にわたっており,積極的に関わろうとすれば臓器にとらわれずにアプローチする必要もある.本特集ではタイトルにあるように,内科医をはじめ,総合診療専門医,プライマリケア医など,かかりつけ機能を果たす医師を念頭に置き,臓器にとらわれずに幅広く積極的な予防医療(「包括的予防医療」とよぶ)の提供や管理を目指し,担当する患者に多くの利益をもたらすために役立てていただくことをねらいとしている.一人でも多くの患者が,患者自身や地域の住民にとって避けられる疾病,その後遺症,死亡を回避し,健康に生活できるよう,その支援に役立てていただく目的で本特集を企画した.
© Nankodo Co., Ltd., 2020