特集 糖尿病診療2021:日常的に包括的診療を行うために
特集のねらい
能登 洋
1,2
1聖路加国際病院内分泌代謝科
2東京医科歯科大学医学部
キーワード:
合併症
,
QOL
,
EBM
,
COVID-19
Keyword:
合併症
,
QOL
,
EBM
,
COVID-19
pp.336-338
発行日 2021年3月1日
Published Date 2021/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika127_336
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
ライフスタイルの変容や社会の高齢化に伴い,わが国の糖尿病患者数は急増の一途をたどっている.同時に,新しい糖尿病治療薬・検査機器やそのエビデンスも増加してきている.血糖コントロールの目標値についても,古色蒼然とした “the lower, the better” という方針は過去のものとなり,個別化設定を目指すことが主体となっている.治療薬では,SGLT2阻害薬は血糖降下だけでなく心不全や慢性腎臓病の増悪抑制効果が糖尿病の有無にかかわらず示され,糖尿病以外の治療領域でも使用が浸透していくであろう.また,持続グルコースモニタリング機器や持続皮下インスリンポンプの普及により,診療スタイルも大きく変貌を遂げた.さらに,古典的合併症以外に糖尿病ではがん,歯周病,骨粗鬆症,認知症,うつ,感染症などの併発が増加することも脚光を浴びてきている.
© Nankodo Co., Ltd., 2021