特集 内科医として知っておくべき非がん疾患の手術
消化器外科領域の手術
胃食道逆流症,食道裂孔ヘルニア
井谷 史嗣
1
,
久保田 哲史
1
1広島市立広島市民病院外科
キーワード:
GERD
,
食道裂孔ヘルニア
,
腹腔鏡手術
Keyword:
GERD
,
食道裂孔ヘルニア
,
腹腔鏡手術
pp.1193-1196
発行日 2020年5月1日
Published Date 2020/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika125_1193
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Summary
▪胃食道逆流症(GERD),食道裂孔ヘルニアには多様な症状があり,問診や画像診断,さらには24時間食道インピーダンス・pHモニタリングや食道内圧検査で正確な診断をすることが重要である.
▪GERDは内科的治療抵抗性の場合ばかりでなく,若年者などでは経済的効果も考慮に入れた適応を検討する場合もある.
▪食道裂孔ヘルニアは症状が強い場合に手術を検討するが,高齢者では誤嚥性肺炎の原因ともなり得るため,心肺機能が許せば落ち着いている時点での手術も検討すべきである.
▪噴門形成は逆流症状とdysphagiaの状況に応じてNissen法またはToupet法を選択するが,筆者らはより術後dysphagiaの少ない前方噴門形成やさらにHis角を形成する程度の側方噴門形成も選択している.
© Nankodo Co., Ltd., 2020