肥満と消化器疾患
肥満症と食道裂孔ヘルニア、逆流性食道炎との関連
山脇 真
1
,
松橋 信行
1四日市市立四日市病院 消化器科
キーワード:
Barrett食道
,
食生活
,
食道炎-逆流性
,
食道裂孔ヘルニア
,
有病率
,
肥満症
,
生活指導
Keyword:
Barrett Esophagus
,
Feeding Behavior
,
Esophagitis, Peptic
,
Hernia, Hiatal
,
Obesity, Morbid
,
Prevalence
pp.1587-1594
発行日 2013年10月20日
Published Date 2013/10/20
DOI https://doi.org/10.19020/J01937.2014025308
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本邦でも,近年食生活の欧米化に伴い腹部肥満が増加し,それとともに逆流性食道炎(RE),Barrett食道(BE),食道裂孔ヘルニア(HH)が顕著に増加している.腹部肥満では内臓脂肪蓄積から腹腔内圧上昇をきたし,胃食道逆流症(GERD)が発症する.本邦では若年男性で過体重者にREが多く,H.pyroli感染率低下と相まって今後GERDがさらに増加する可能性が高い.非びらん性胃食道逆流(NERD)/RE/BEはともに酸逆流を基盤とするが,個々の病態は異なる点も多く,どの型の病態を呈するかはその個人の酸に対する反応性の違いで決定されるとも考えられる.肥満や生活習慣,薬剤などがGERDの増悪要因となる.プロトンポンプ阻害薬(PPI)などの内服治療に加え,適切な生活指導を行うことは重要である.
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