特集 内科医として “足” を診る―靴下をとって足病変を見逃すな!
commonな足病変update
下腿潰瘍
伊藤 孝明
1
1兵庫医科大学皮膚科学教室
キーワード:
下肢静脈瘤
,
深部静脈血栓症後遺症
,
静脈高血圧
,
圧迫療法
Keyword:
下肢静脈瘤
,
深部静脈血栓症後遺症
,
静脈高血圧
,
圧迫療法
pp.2309-2313
発行日 2019年11月1日
Published Date 2019/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika124_2309
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Summary
▪下腿潰瘍とは,膝~足関節にできる潰瘍の総称である.
▪下腿に動脈性の潰瘍が生じることはほとんどない(足~足趾に生じる).
▪下腿潰瘍の大半は静脈の還流障害によって生じ,“下腿潰瘍=静脈還流障害=下肢静脈高血圧による潰瘍” としてもよい.
▪その他の下腿潰瘍の原因としては,外傷を除くと,皮膚の微小循環障害によるもの,皮膚腫瘍(有棘細胞がん,Bowen病など)もあるが,これらはきわめて少ない.
▪下肢静脈高血圧による潰瘍には,一次性下肢静脈瘤の放置例と深部静脈血栓症(DVT)後遺症などがあるが,ともに下腿の下3分の1に生じることが多い.そして,この下腿潰瘍の最も大切で必須の治療法は,圧迫療法である.
© Nankodo Co., Ltd., 2019