特集 腫瘍随伴症候群とオンコロジーエマージェンシー―病態や治療に伴う多彩な症状
薬物療法に伴うオンコロジーエマージェンシー
薬剤性肺障害
西條 康夫
1
1新潟大学大学院医歯学総合研究科腫瘍内科学分野
キーワード:
肺障害
,
分子標的治療薬
,
免疫チェックポイント阻害薬
,
ステロイド
Keyword:
肺障害
,
分子標的治療薬
,
免疫チェックポイント阻害薬
,
ステロイド
pp.1629-1633
発行日 2019年8月1日
Published Date 2019/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika124_1629
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Summary
▪抗悪性腫瘍薬による肺障害の頻度は薬剤により異なるが,すべての抗悪性腫瘍薬が肺障害を引き起こす可能性があることを念頭に置く必要がある.
▪発症時期は薬剤により異なる.治療歴が長い,performance status(PS)不良,重喫煙者,肺疾患の合併症例はリスクが高い.放射線療法との併用は肺障害のリスクが増す.
▪抗悪性腫瘍薬による治療中は,診察のたびに酸素飽和度のチェックを行い,呼吸器症状が出たら肺障害を疑い,ただちにCT検査を実施し診断する必要がある.致死的となることはまれでないことを念頭に置き,ただちに治療を開始することが重要である.
© Nankodo Co., Ltd., 2019