特集 ウイルス肝炎制御時代の肝発癌
6.NAFLD肝癌における肝癌薬物療法の注意点
葛谷 貞二
1
,
川部 直人
1
,
廣岡 芳樹
1
1藤田医科大学消化器内科
キーワード:
NAFLD
,
肝細胞癌
,
薬物療法
,
免疫チェックポイント阻害薬
,
分子標的治療薬
Keyword:
NAFLD
,
肝細胞癌
,
薬物療法
,
免疫チェックポイント阻害薬
,
分子標的治療薬
pp.940-946
発行日 2022年7月20日
Published Date 2022/7/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000002274
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2021年,「NASH関連肝細胞癌(HCC)に対する免疫チェックポイント阻害薬(ICI)の効果は限定的である」といった衝撃的な趣旨の英語論文がNatureに発表された.実臨床で使用可能なアテゾリズマブ+ベバシズマブは,ICIと抗VEGF阻害薬との併用療法である.ICIに抗VEGF阻害薬を加えることで,NASH-HCC患者に対しても,抗腫瘍効果が高められる可能性がある.現時点では,組織学的に診断されたNASHにはICIが効きにくい可能性があることを念頭においたうえで,アテゾリズマブ+ベバシズマブを第一選択として投与し,効果が悪ければ次治療へ変更するといった治療方針が適切と考えられる.
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