特集 腫瘍随伴症候群とオンコロジーエマージェンシー―病態や治療に伴う多彩な症状
薬物療法に伴うオンコロジーエマージェンシー
薬剤性心障害
南村 真紀
1
,
石黒 洋
2
1船橋市立医療センター乳腺外科
2国際医療福祉大学病院腫瘍内科
キーワード:
薬物療法
,
薬剤性心障害
,
がん治療関連心機能障害
,
アントラサイクリン系抗がん薬
Keyword:
薬物療法
,
薬剤性心障害
,
がん治療関連心機能障害
,
アントラサイクリン系抗がん薬
pp.1637-1640
発行日 2019年8月1日
Published Date 2019/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika124_1637
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Summary
▪近年,医療の進歩や高齢患者への薬物療法の増加に伴い,がん治療中における心障害の発症頻度が高くなっている.
▪さまざまな薬剤において心血管障害のリスクがあり,心不全を呈することがある.
▪アントラサイクリン系抗がん薬は,投与後1年以上経てから重篤な心障害を生じることがある.
▪アントラサイクリン系抗がん薬は,累積投与量の増加とともに心不全のリスクも上昇する.
▪薬剤性心障害が発症しやすい危険因子があり,がんの進行も心障害のリスクを高める.
▪心毒性のある薬剤を使用する際には,ベースの心機能や危険因子を考慮し,定期的な診察や検査のもと,心不全を予防することが重要である.状態によっては心毒性の低い薬剤での治療に変更することも重要である.
© Nankodo Co., Ltd., 2019