特集 緊急対応を要する循環器疾患
救急対応を要する代表的な循環器疾患の診断と治療
急性肺血栓塞栓症
山下 侑吾
1
1京都大学医学部附属病院 循環器内科
キーワード:
肺血栓塞栓症
,
静脈血栓塞栓症
,
診断
,
初期対応
Keyword:
肺血栓塞栓症
,
静脈血栓塞栓症
,
診断
,
初期対応
pp.375-379
発行日 2022年3月1日
Published Date 2022/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika129_375
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Summary
▪急性肺血栓塞栓症は,重症例では致死的な経過をたどる可能性のある疾病であるが,早期診断および早期治療を開始すれば,予後を大きく改善することができる.
▪最近では,通常外来や手術の関与しない入院病棟で遭遇する機会の多い疾病となってきている.
▪診断のために重要なことは,日常臨床において本疾患の発症の可能性を念頭に置いておくことであり,確定診断の基本は造影CT検査である.
▪本疾患を疑った場合や診断した場合には,基本的には速やかに専門医や専門施設に相談・紹介することを検討する.
▪直接経口抗凝固薬(DOAC)の登場により,治療が容易となり,非専門医による診療の機会が増加していることから,非専門医でも本疾患をよく知っておく必要があると考えられる.
© Nankodo Co., Ltd., 2022