特集 この薬,一生続けるんですか?
消化器系薬剤
防御因子増強薬(消化性潰瘍治療薬)
河野 友彰
1
,
富田 寿彦
1
,
三輪 洋人
1
1兵庫医科大学内科学消化管科
キーワード:
防御因子増強薬
,
消化性潰瘍
,
胃食道逆流症
,
機能性消化管疾患
Keyword:
防御因子増強薬
,
消化性潰瘍
,
胃食道逆流症
,
機能性消化管疾患
pp.425-429
発行日 2019年3月1日
Published Date 2019/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika123_425
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Summary
▪胃・十二指腸潰瘍の薬物治療は,Helicobacter pyloriの除菌療法以外ではPCABやPPIなどの酸分泌抑制薬が第一選択薬であり,防御因子増強薬はそれらの薬剤が使用できない場合に限られる.
▪維持療法においては,消化性潰瘍診療ガイドラインでも一部の防御因子増強薬が推奨されている.
▪上部消化管のNSAIDs潰瘍治療や再発予防に関しては,一部の防御因子増強が推奨されているが,下部消化管の粘膜障害予防にはいまだ一定の見解は得られていないのが現状である.
▪一般的に実地臨床現場で防御因子増強薬を中止してもよい場合は,消化性潰瘍治療でPPIなどの酸分泌抑制薬と併用している場合,除菌後の潰瘍再発で処方している場合,機能性ディスペプシアに使用している場合,慢性胃炎で酸分泌抑制薬と併用している場合などである.
© Nankodo Co., Ltd., 2019