特集 消化管治療薬 外来での使いどころ
領域別消化管治療薬の使い方
《上部消化管領域》
プロスタグランジン製剤および防御因子増強薬
谷川 徹也
1
,
渡辺 俊雄
1
,
藤原 靖弘
1
Tetsuya TANIGAWA
1
,
Toshio WATANABE
1
,
Yasuhiro FUJIWARA
1
1大阪市立大学大学院医学研究科消化器内科学・国際消化管研究センター
キーワード:
粘膜防御機構
,
プロスタグランジン
,
NSAIDs
Keyword:
粘膜防御機構
,
プロスタグランジン
,
NSAIDs
pp.241-244
発行日 2018年2月1日
Published Date 2018/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika121_241
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Summary
▪消化管粘膜防御因子に関連する薬剤には,プロスタグランジン(PG)製剤および防御因子増強薬がある.PG製剤はPG合成酵素であるシクロオキシゲナーゼ(COX)の阻害作用を有する非ステロイド系抗炎症薬(NSAIDs)による胃十二指腸潰瘍や粘膜傷害に対して主に使用される.
▪NSAIDsは消化管粘膜全般のPG濃度を低下させることにより粘膜防御機構を破綻させ胃十二指腸のみならず小腸にも病変を誘発することが明らかとなってきており,PG製剤は消化管トータルの粘膜傷害の治療や予防に有効である.
▪防御因子増強薬は薬剤固有のさまざまな特徴を有するが,臨床的に十分なエビデンスを有しているとはいいがたい.慣習的にNSAIDsと一緒に処方されたり,急性および慢性の上腹部症状に対して用いられる.
© Nankodo Co., Ltd., 2018