特集 10年前の常識は非常識!?—イマドキ消化器診療にアップデート
疾患
胃・十二指腸潰瘍(消化性潰瘍)
伊藤 恵介
1
1名古屋市立大学附属東部医療センター消化器内科
キーワード:
消化性潰瘍
,
H. pylori感染
,
NSAIDs
Keyword:
消化性潰瘍
,
H. pylori感染
,
NSAIDs
pp.76-81
発行日 2023年1月10日
Published Date 2023/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402228693
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
本邦における消化性潰瘍の罹患数は減少傾向を示しており,厚生労働省の統計によると,胃潰瘍および十二指腸潰瘍の推計患者総数は1996年13万4,000人であったところが,2008年5万7,300人,2020年には1万4,300人と減少の一途を辿っており,この20数年間で約1/10となっている1).
消化性潰瘍の主な原因はH. pylori(Helicobacter pylori)感染と非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)などによる薬剤性であり,このような罹患数の減少にはH. pylori感染率の減少や酸分泌抑制薬の普及が寄与しているものと考えられているが,一方で超高齢化によるNSAIDsや低用量アスピリン(low dose aspirin:LDA)の使用頻度増加などにより薬剤性潰瘍の割合は上昇傾向となっており,日常診療において注意すべき問題点となっている.
Copyright © 2023, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.