特集 輸血2018―限りある資源を安全に,有効に活用するために
特殊な状況での輸血
自己免疫性溶血性貧血患者,不規則抗体陽性患者への輸血
亀崎 豊実
1
Toyomi KAMESAKI
1
1自治医科大学地域医療学センター地域医療支援部門
キーワード:
自己免疫性溶血性貧血
,
不規則抗体
,
輸血
Keyword:
自己免疫性溶血性貧血
,
不規則抗体
,
輸血
pp.799-803
発行日 2018年10月1日
Published Date 2018/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika122_799
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Summary
▪輸血前に患者血中の抗赤血球抗体の存在を明らかにすることは,溶血性副作用防止のために重要である.
▪抗赤血球自己抗体を有する患者での輸血赤血球の選択における優先順位は以下のとおりである.
① 臨床的に意義のある同種抗体(不規則抗体)が存在する場合は抗原陰性血を選択する(溶血性副作用の防止).
② Rh血液型の表現型(C,E,c,e)は可能な限り一致させる(同種抗体産生防止).
③ 自己抗体の血液型特異性(抗eや抗D)を一致させると輸血効果が向上することがある.
▪AIHA患者においては,救命的な輸血は機を失することなく行う必要がある.
© Nankodo Co., Ltd., 2018