今月の主題 慢性呼吸不全に必要な基礎知識
診断の組み立て—どのように診断するか,そのプロセス
見落としてはいけない身体所見
冬野 玄太郎
1
1東京都済生会中央病院内科
pp.916-918
発行日 1999年6月10日
Published Date 1999/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402906055
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
●慢性呼吸不全患者で慢性低酸素血症が持続していると,チアノーゼが生じても呼吸困難を認めないことがある.またチアノーゼは貧血症では出現しにくく,多血症では出現しやすい.
●慢性呼吸不全患者の意識障害は低酸素血症より高炭素ガス血症で生じやすい.発汗・手指振戦・傾眠が主症状である.
●ばち状指は肺疾患でも最も多くみられるが肺気腫患者では少ない.また,消化器疾患・心疾患では認めることがある.
●連続性ラ音(wheezes)を聴取した場合,肺気腫・心臓喘息・気管支喘息の鑑別は聴診所見のみでは不可能である.問診とほかの身体所見・検査所見が必要である.
Copyright © 1999, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.