連載 Focus On
肝疾患とサルコペニア
西川 浩樹
1
,
西口 修平
1
1兵庫医科大学内科学・肝胆膵科
pp.315-320
発行日 2018年2月1日
Published Date 2018/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika121_315
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サルコペニアは,握力や歩行速度などの筋肉の質の低下とCTやInbodyなどによって計測される筋肉量の低下で定義される高齢者を対象とした疾患概念であり,近年注目を集めている1~3).一方,肝臓は3大栄養素である糖質,蛋白質,脂質の中心代謝臓器であり,進行した肝硬変症例では蛋白エネルギー低栄養(protein-energy malnutrition:PEM)などによる二次性サルコペニアをきたしやすいことが特徴としてあげられる4).さらに近年の本邦の肝疾患は著しく高齢化してきており,このような背景を受け,昨年「肝疾患におけるサルコペニアの判定基準(第1版)」が日本肝臓学会から提唱された5).その後,日本国内の施設からサルコペニアに関する知見が多く発表され,今日にいたっている.本稿では,「肝疾患におけるサルコペニアの判定基準(第1版)」の概略を説明するとともに,その後の当科でのサルコペニアに関する検討結果の一部を紹介する.
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