特集 サルコペニアと消化器疾患
1.サルコペニア総論(5)肝疾患におけるサルコペニアの予防・治療
中野 暖
1
,
佐野 有哉
1
,
堤 翼
1
,
天野 恵介
1
,
川口 巧
1
1久留米大学医学部内科学講座消化器内科部門
キーワード:
サルコペニア
,
脂肪肝
,
肝硬変
,
運動療法
,
栄養療法
Keyword:
サルコペニア
,
脂肪肝
,
肝硬変
,
運動療法
,
栄養療法
pp.263-270
発行日 2024年2月20日
Published Date 2024/2/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000002957
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サルコペニアは慢性肝疾患患者に高率に認められる.メタボリックシンドロームの肝臓での表現型であるmetabolic dysfunction-associated steatotic liver disease (MASLD)では,身体活動量の低下がサルコペニアのリスクとなる.また,低栄養状態を特徴とする肝硬変では,身体活動量の低下とともに,分岐鎖アミノ酸・ビタミン・微量元素の欠乏などもサルコペニアのリスクとなる.サルコペニアはMASLDと肝硬変,いずれにおいても病期進展や予後に関わる重要な病態である.本稿ではMASLDと肝硬変患者におけるサルコペニアの予防と治療について,運動および栄養療法の観点から概説する.また,われわれが考案した肝疾患患者のための運動プログラム「肝炎体操」や「ヘパトサイズ®」についても紹介する.
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