特集 サルコペニアと消化器疾患
1.サルコペニア総論(4)肝疾患におけるサルコペニアの診断
西口 修平
1,2
1加納総合病院
2大阪公立大学
キーワード:
肝疾患
,
サルコペニア
,
判定基準
,
SARC-F
,
筋肉内脂肪量
Keyword:
肝疾患
,
サルコペニア
,
判定基準
,
SARC-F
,
筋肉内脂肪量
pp.257-262
発行日 2024年2月20日
Published Date 2024/2/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000002956
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肝疾患では,患者の高齢化と疾患特有の病態が相加的に筋肉量を低下させるためサルコペニアの合併率が高く,肝疾患は二次性サルコペニアの代表格とされている.さらに,サルコペニアの合併により肝疾患の予後が悪化することから,肝疾患においてサルコペニアは重要な合併症である.すでに,国際的な診断基準がいくつか発表されているが,日本肝臓学会からより簡便で肝疾患の実臨床に配慮した判定基準が提唱された.まず,二次性サルコペニアであることから65歳以上という年齢制限をはずし,外来では測定が困難な歩行速度も判定基準として採用しなかった.さらに,筋肉量の測定は通常の肝疾患の診療で汎用されている腹部CT像を採用した.今後の課題は,より簡便な方法でサルコペニア疑診例を拾い上げ,その後精査する2段階法を検討することや,metabolic dysfunction associated steatohepatitis (MASH)〔nonalcoholic steatohepatitis (NASH)から病名変更〕などの肥満を伴う症例に対する診断法の確立である.
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