肝疾患と栄養・サルコペニア
肝疾患とサルコペニア 肝癌患者の予後と栄養・サルコペニア
藤原 直人
1
,
建石 良介
,
小池 和彦
1東京大学医学部附属病院 消化器内科
キーワード:
肝細胞癌
,
身体組成
,
BMI
,
筋肉減少症
Keyword:
Body Composition
,
Carcinoma, Hepatocellular
,
Body Mass Index
,
Sarcopenia
pp.543-549
発行日 2017年4月20日
Published Date 2017/4/20
DOI https://doi.org/10.19020/J01937.2017234735
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肝細胞癌(HCC)患者においてサルコペニアをはじめとする体組成の重要性が昨今盛んに議論されている.本章ではBMIと予後不良体組成(サルコペニア型,脂肪筋型,内臓肥満型),HCC患者の予後の関係を評価することで,BMIで定義される低体重群,肥満群には通常体重群と比べ予後不良体組成を二つ以上もつ症例の割合が有意に多く,その結果BMIと予後の関係がV字型になる可能性が示された.一方,予後不良体組成をもたない低体重者(healthy underweight)はもっとも予後の良い群であった.この結果は,栄養療法・運動療法でHCC患者の予後を改善するうえで単なる減量ではなく,体組成を考慮する必要がある可能性を示唆する.
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