肝疾患と栄養・サルコペニア
肝疾患とサルコペニア 肝移植・肝切除と栄養・サルコペニア
海道 利実
1
,
濱口 雄平
,
奥村 晋也
,
小林 淳志
,
白井 久也
,
上本 伸二
1京都大学 大学院医学研究科肝胆膵移植外科
キーワード:
肝硬変
,
肝切除
,
肝臓移植
,
肝臓腫瘍
,
周術期管理
,
栄養管理
,
筋肉減少症
Keyword:
Hepatectomy
,
Liver Cirrhosis
,
Liver Neoplasms
,
Liver Transplantation
,
Perioperative Care
,
Nutrition Therapy
,
Sarcopenia
pp.551-558
発行日 2017年4月20日
Published Date 2017/4/20
DOI https://doi.org/10.19020/J01937.2017234736
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肝移植患者の多くは代償性肝硬変を有しており,浮腫や腹水による活動性の低下,低栄養,肝不全,高度侵襲と二次性サルコペニアのカテゴリーに当てはまる.一方,肝癌患者も高齢化しており,肝癌患者の多くは,一次性サルコペニアと慢性肝炎に伴う低栄養や癌に起因する二次性サルコペニアを合併している.したがって,両者とも術前サルコペニア評価と周術期栄養管理が大切である.肝移植,肝癌肝切除のいずれにおいても,術前サルコペニアは予後不良因子であった.肝移植患者においては,サルコペニアを考慮した移植適応により予後が向上した.術後,中長期的なリハビリ・栄養療法が,QOLの改善のみならず,予後向上に重要である.
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