特集 咳、痰のみかた
トピックス
高齢者の誤嚥と咳嗽
海老原 覚
1
,
伊豆蔵 英明
1
Satoru EBIHARA
1
,
Hideaki IZUKURA
1
1東邦大学大学院医学研究科リハビリテーション医学講座
キーワード:
嚥下反射
,
咳反射
,
咳衝動
,
誤嚥性肺炎
Keyword:
嚥下反射
,
咳反射
,
咳衝動
,
誤嚥性肺炎
pp.1195-1199
発行日 2018年5月1日
Published Date 2018/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika121_1195
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Summary
▪高齢者の自然経過は「脳の衰え→嚥下反射障害→咳反射障害→肺炎→死亡」である.
▪高齢者の食事中や食事後にみられる湿性の咳は,その高齢者の嚥下機能が低下しているが,咳嗽機能がまだ保たれている状態のときに起こる.
▪咳が出るときは咳衝動(urge-to-cough)という感覚が先行して大脳皮質に伝わり,その咳衝動が咳反射を調節している.
▪咳嗽機能が保たれているうちはまだよく,誤嚥したのに咳嗽が起きてこない状態が最も危険であり,誤嚥性肺炎の発症と直結している.
© Nankodo Co., Ltd., 2018