特集 咳、痰のみかた
咳と痰の原因となる疾患とは
心不全の咳嗽の特徴とその咳嗽の治療
菅野 康夫
1,2
Yasuo SUGANO
1,2
1けいゆう病院循環器内科
2国立循環器病研究センター心臓血管内科心不全科
キーワード:
心不全
,
発作性夜間呼吸困難
,
起坐呼吸
,
利尿薬
Keyword:
心不全
,
発作性夜間呼吸困難
,
起坐呼吸
,
利尿薬
pp.1177-1179
発行日 2018年5月1日
Published Date 2018/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika121_1177
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Summary
▪咳嗽の原因として忘れてはいけないものに,心不全があげられる.心不全では肺毛細血管圧の上昇により気道に漏出した水分が咳中枢を刺激し,咳嗽反応が誘発される.
▪心不全ではピンク色の泡沫痰を伴う湿性咳嗽が出現することが多く,喘鳴を認める場合もある.また,夜間に出現し,臥位にて改善することが特徴である.これらの知識を踏まえたうえで,咳嗽を主訴に受診した患者を正確に心不全と診断することが重要である.
▪治療は心不全そのものの治療にほかならず,主な治療は利尿薬による体液貯留改善であるが,状況によっては強心薬の使用が必要となる.
© Nankodo Co., Ltd., 2018