特集 咳、痰のみかた
咳と痰の原因となる疾患とは
肺腫瘍
長瀬 清亮
1
Seisuke NAGASE
1
1国際医療福祉大学三田病院呼吸器センター
キーワード:
肺腫瘍
,
咳嗽
,
薬物療法
,
緩和的治療
Keyword:
肺腫瘍
,
咳嗽
,
薬物療法
,
緩和的治療
pp.1173-1175
発行日 2018年5月1日
Published Date 2018/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika121_1173
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Summary
▪肺腫瘍の咳嗽の特徴は,経過が長い,対処療法で改善しない,血痰や胸痛,呼吸困難などの症状を伴っていることが多い.
▪肺実質への浸潤のほかに,中枢気道狭窄,閉塞性肺炎,がん性胸膜炎,がん性心膜炎,がん性リンパ管症,上大静脈症候群など肺腫瘍の局在による直接的な刺激により咳嗽をきたす.
▪肺炎や薬剤性肺障害,放射線肺臓炎など,がん治療に伴う副作用や合併症も咳嗽の原因となる.
▪咳嗽の治療は,まずは原疾患に対するアプローチが原則であるが,それ以外にも上記のようなさまざまな病態別の治療や,鎮咳薬やコルチコステロイドなどの緩和的治療もある.
© Nankodo Co., Ltd., 2018