特集 内科診療にガイドラインを生かす
呼吸器疾患
咳嗽
新実 彰男
1
1名古屋市立大学大学院医学研究科腫瘍・免疫内科学
pp.98-103
発行日 2013年11月1日
Published Date 2013/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402107086
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内科診療に役立つ国内外のガイドライン
咳嗽の診療ガイドラインとして,2005年に日本呼吸器学会から「咳嗽に関するガイドライン」,翌年に同じ内容の英語版,そして2012年に「咳嗽に関するガイドライン第2版」が刊行された(英語版を現在準備中).第2版はクリニカルクエスチョンとそれに対するステートメント,検査や治療に関しては推奨グレードと保険適用の有無を併記した世界で初めての咳嗽の診療ガイドラインである.3週未満の急性咳嗽,3週以上8週未満の遷延性咳嗽,8週以上の慢性咳嗽に分類しているが,この定義は海外のガイドラインでもほぼ同様である.本邦のガイドラインは海外のものと比較して,感染症が主体となる急性咳嗽にもページ数を割いて詳述したこと,内科以外に小児科,耳鼻科の委員の協力も得て小児の咳嗽や耳鼻科疾患による咳嗽,専門施設で行う検査なども包括的に取り上げたことなどが特徴である.
海外からはAmerican College of Chest Physicians(ACCP;1998年初版,2006年改訂版),European Respiratory Society(ERS;2004年診断・治療ガイドライン,2007年評価ガイドライン),British Thoracic Society(BTS;2006年成人ガイドライン,2008年小児ガイドライン)のほか,オーストラリア,ドイツ,中国などからもガイドラインが発表されている.主なガイドラインの比較を表1に示す.
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