特集 小切開弁膜症手術
特集「小切開弁膜症手術」によせて
小野 稔
1
1東京大学心臓外科
pp.483
発行日 2020年7月1日
Published Date 2020/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_kyobu73_483
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低侵襲心臓手術(MICS)はこれまでに何度かブームを繰り返してきた.ブームのたびに新たな解決すべき課題が生まれ,技術革新による新たなデバイスが開発されてきた.ここ数年は第3次MICSブームの時代となり,専用の手術器械は創意工夫が施され,操作性が格段に向上した.da Vinciによる弁形成および弁置換が保険償還されることになり,手術支援ロボット補助下心臓手術がようやく普及し始めた.経カテーテル的大動脈弁置換(TAVI)の普及は急速で,中等度リスク症例のみならず低リスク症例が対象になりつつある.ある意味で背水の陣を敷いた心臓血管外科医が,新たな発想と挑戦によって次々と低侵襲弁膜症手術を編み出し,さらにその安全性と有効性を示すようになった.
© Nankodo Co., Ltd., 2020