特集 エキスパートが伝える 消化器癌手術の流れと手術助手の心得
特集によせて
桑野 博行
1
Hiroyuki KUWANO
1
1群馬大学大学院医学系研究科病態総合外科学
pp.326-327
発行日 2010年3月20日
Published Date 2010/3/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407102989
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■はじめに
今日までも,色々な外科専門雑誌において手術助手のあり方は様々のかたちで特集も組まれ,また,手術手技研究会からは「手術べからず集」1)「新べからず集」2~4)などが出されており,助手の心構えなどが示されてきた.日常診療においてチーム医療の重要性が注目されるようになって久しく,あらゆる医療現場において実践されている.そのチーム医療の原点とも言える「手術」という現場は,術者,数名の助手,介助看護師,外回り看護師,そして麻酔医を中心に狭義の「チーム医療」が展開されている.手術における術者,手術助手のあり方は従来から引き継がれている普遍の形態もあれば,最新の医療技術,医療機器,医療環境,外科教育のあり方などの変化に伴って変様,変貌,もしくは進化したものもある.このような現況に鑑み,外科手術における最新の術者と手術助手のあり方を再考し,整理することはきわめて意義深いものと考える.
手術においては,術者のみならず助手もこれを熟知したうえで臨むことは言うまでもないが,それぞれの立場でどのような役割と責任を果たしてゆくのか,という点から,消化器癌の臓器別の標準的手術を中心に最新の手術の流れと,各局面における助手の役割とそのあり方のポイントを示していただきたく,本特集を企画した.
本稿では,一般的観点から手術助手のあり方を簡潔にまとめてみる.
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