特集 患者の思いを引き出して支え,力を高める意思決定支援
意思決定が困難な患者とSDMを行うためのコミュニケーションのポイント
關本 翌子
1
Asuko SEKIMOTO
1
1国立がん研究センター中央病院看護部/がん性疼痛看護認定看護師
pp.151-156
発行日 2025年3月1日
Published Date 2025/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_kango30_151
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はじめに
意思決定の過程は,網の目のように複雑で,自身でさえ目に見えない無意識下で,さまざまな要素が絡みあっている.
shared decision making(以下SDM)は,臨床実践において患者中心のケアを義務づける医療提供モデルである.SDMを実践することで,患者や家族が医療者とともにケアや治療に関する意思決定に関与できるようになる1).SDMは,医療者と患者が,お互いのもっている情報,つまりエビデンスに基づく医学的な情報と,患者・家族の治療や生活に対する希望や価値観についての情報を共有しながら,一緒に治療方針を決めていくプロセスである.このプロセスを共有するためのコミュニケーションのポイントについて述べる.
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