Japanese
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特集 精神科臨床における共同意思決定(SDM)
共同意思決定(SDM)の概念と現状
The Concept and Current Status of Shared Decision Making
渡邊 衡一郎
1
Koichiro Watanabe
1
1杏林大学医学部精神神経科学教室
1Department of Neuropsychiatry, Kyorin University School of Medcine, Tokyo, Japan
キーワード:
共同意思決定
,
shared decision making
,
治療同盟
,
therapeutic alliance
,
遵守
,
adherence
,
決定支援
,
decision aid
,
回復
,
recovery
Keyword:
共同意思決定
,
shared decision making
,
治療同盟
,
therapeutic alliance
,
遵守
,
adherence
,
決定支援
,
decision aid
,
回復
,
recovery
pp.1301-1309
発行日 2020年10月15日
Published Date 2020/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405206192
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抄録 共同意思決定(shared decision making:SDM)は,当事者と治療者それぞれが意見を積極的に述べるという双方向性のコミュニケーションに基づく。慢性的に経過する疾患や,同程度の効果的な治療選択肢が複数存在する疾患の場合に導入が望ましいとされているが,「うつ病,統合失調症」の当事者も身体疾患の当事者と同程度,自分の治療に積極的にかかわりたいと思っていることが明らかとなっている。海外においては,さまざまな検証研究がなされ,その効果が示されており,コクラン・レビューによると,SDMを導入したほうが,治療に満足しやすく,うつ病に関する知識が増し,治療に積極的にかかわるようになるという。わが国においては,各ガイドラインにも触れられ導入が推奨されているが,decision aidが整備不十分など未だ課題が残る。今後SDMが正しく浸透し,一人でも多くの当事者が,治療においても満足する“パーソナル・リカバリー”を獲得して欲しいと願っている。
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