特集 がん患者の療養の場の移行支援 ~アセスメント&社会資源の活用例~
実践編②私たちはこんなふうに療養の場の移行支援をしています
横断的に活動している看護師の例
坂本 理恵
1
Rie SAKAMOTO
1
1横須賀共済病院看護部/がん看護専門看護師
pp.635-638
発行日 2024年11月1日
Published Date 2024/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_kango29_635
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はじめに
近年がん治療の進歩とともに外来治療も充実し,住み慣れた自宅で生活しながらがん治療を続ける患者も増加している.入院での治療目的やがんの進行に伴う体調の悪化などで入退院を繰り返すこともあり,治療や療養の場が変化するなかで,シームレスな支援が求められている.そのためには,患者の価値や生活を知り,患者を「生活者」としてとらえて支援をつなぐことが重要である.がん看護専門看護師(以下,OCNS)として緩和ケアチームやがん看護外来で組織横断的に活動している筆者は,現在がん患者の退院支援や療養支援の質を向上させるために,「看護師が患者を生活者としてとらえ治療や病状の経過を見据えてかかわり,外来でも継続して必要な支援ができるような体制づくり」に取り組んでいる.
抗がん薬治療を受けているものの,病状が悪化し入退院を繰り返しながら在宅療養に移行となる患者へのシームレスな支援のポイントについて,架空の事例を用いて解説する.
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