特別寄稿
ペプチド放射性核種療法(PRRT)導入における患者支援の実際
服部 悦子
1
,
石村 愛
2
,
鎗野 りか
3
Etsuko HATTORI
1
,
Ai ISHIMURA
2
,
Rika YARINO
3
1関西電力株式会社 関西電力病院/がん看護専門看護師
2関西電力株式会社 関西電力病院/がん看護専門看護師
3関西電力株式会社 関西電力病院/緩和ケア認定看護師
pp.749-752
発行日 2023年11月1日
Published Date 2023/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_kango28_749
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
はじめに
ペプチド受容体放射性核種療法(peptide receptor radionuclide therapy:PRRT)は,2012年頃欧米ではすでに実施されていたが,日本ではPRRTに使用される放射性薬剤が薬事承認されておらず,PRRTを望む患者は,高額な費用をかけて渡航して治療を受けることを余儀なくされていた.2021年6月にルテチウムオキソドトレオチド(Lu-177)が日本において薬事承認され,10月に初めて神経内分泌腫瘍患者の治療としてPRRTが導入された.翌年にはPRRTがソマトスタチン受容体を発現している神経内分泌腫瘍患者の治療として保険適用され,放射線病室以外においても特別措置病室で治療が認められるようになった.
本稿では,神経内分泌腫瘍に対する新たな治療法であるPRRTの患者支援に関する支援体制の構築や患者支援の実際に焦点を当て述べる.患者支援について述べる前に,まずは,神経内分泌腫瘍とPRRTについて概説し,その後に患者支援の実際を提示する.
© Nankodo Co., Ltd., 2023