連載 便秘エコーを習得してアセスメント力をアップ 【2】
便秘エコー ~撮影方法と画像の読み方~
松本 勝
1
,
玉井 奈緒
2
,
三浦 由佳
3
,
真田 弘美
4
Masaru MATSUMOTO
1
,
Nao TAMAI
2
,
Yuka MIURA
3
,
Hiromi SANADA
4
1石川県立看護大学看護学部
2横浜市立大学医学部看護学科成人看護学
3藤田医科大学研究推進本部社会実装看護創成研究センター
4石川県立看護大学看護学部
pp.651-655
発行日 2023年9月1日
Published Date 2023/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_kango28_651
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エコーの基礎知識
「エコー」とは超音波診断装置や超音波検査の通称である.エコー自体は音の反響のことをさしており,生体内に超音波ビームを放ち,エコーを機械的に発生させ,画像データを生成するものを超音波診断装置(以下,エコー装置)とよび,エコー装置を使用した検査のことを超音波検査とよぶ.
エコー装置はプローブから超音波を発し,対象物に当たり跳ね返ってきた超音波(反射波・エコー)をとらえ画像化している.反射波の強さをエコーレベルといい,通常の検査で使用されるBモード(brightnessモード)ではエコーレベルを輝度で表現している.基準となる部位よりも白く表れるものを高エコー(高輝度),明らかにエコーを認めず真っ黒く表れるものを無エコー,それらの中間でやや黒く表れるものを低エコー(低輝度)とよぶ(図1).
エコー画像におけるさまざまな臓器の見え方を図2に示す.尿や血液などの液体はエコーを透過させるので無エコーとして描出される.一方,骨などエコーの反射が強い臓器は高エコーが描出され,それより深部では超音波が届かないため無エコーが描出される(音響陰影).筋などの実質臓器は低エコーで描出されることが多い.さらに,ガスが貯留している際には超音波パルスがその間で何回も反射を繰り返してプローブに戻ってくるため(超音波を強く反射させる面が平行に向き合った状況のとき,それと垂直に当たる超音波パルスがその間で何回も反射を繰り返してプローブに戻ってくる),帯状の高エコーが描出される.
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