特集 がん薬物療法の看護技術
第Ⅲ章 有害事象
呼吸困難×早期発見と不安に対処
春木 ひかる
1
1東京大学医学部附属病院外来化学療法室/がん看護専門看護師
pp.483-486
発行日 2023年6月15日
Published Date 2023/6/15
DOI https://doi.org/10.15106/j_kango28_483
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はじめに
近年,免疫チェックポイント阻害薬,分子標的治療薬,抗体薬物複合体など,新薬の開発がめざましく,それに伴い副作用対策が重要になっている.がん薬物療法に関連した肺毒性はすべての薬剤で起こりうる1)といわれており,薬剤投与中だけでなく,薬剤投与終了後にも発生する.薬剤性の肺障害では,間質性肺炎の頻度がもっとも多く,中には重篤化し死亡するケースがある2)ため,注意が必要である.本稿では,薬物療法による肺障害を早期に発見するための観察とアセスメント,患者指導および不安の対応を中心に解説していく.
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