実践報告
母性看護実習の不安とその対処行動について
池田 かよ子
1
,
小林 正子
1
1新潟青陵大学看護福祉心理学部看護学科
pp.356-359
発行日 2006年4月1日
Published Date 2006/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663100277
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はじめに
母性看護学は,「看護の対象である人間を母性の側面からとらえ,ヒトのリプロダクションの営みに焦点をあて,看護を追求する学問である」1)といわれている。女性のライフサイクルの中で,妊娠・出産・産褥を通して生命の誕生の瞬間に立ち会い,次代の新しい生命を育み育てる過程と,一人の女性が母親として成長していく過程に関わることの意義は大きい2)。
しかし,現在は学生が日常生活において妊産婦や乳幼児に関わる機会が減少しているため,対象者をイメージすることが難しく,そのため対象者の理解や専門的な知識・技術の習得が困難になってきている。とくに臨地実習は,既習の知識や技術を実際の対象に適応させることによって看護実践能力を獲得するといわれ3),重要な学習活動であるにもかかわらず,臨地実習における学生の緊張感は大きく,慣れない環境で対象者や臨地のスタッフに自らコミュニケーションをとり,看護実践していくことが大きなストレスとなっている。臨地実習がスムーズに行われ,その効果を十分に上げるためには,学生をよく知り,実習前後の学内での教育が大切であると思われる。
そこで,母性看護実習に対する不安や期待を把握し,学生がどう対処しているのかを明らかにし,臨地実習の事前学習や準備の一助としたい。
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