特集1 いまはこうする がん看護 ~サポーティブケア~
【有害事象へのケア】
悪心・嘔吐 ~制吐療法最前線~
富樫 裕子
1
,
長岡 波子
2
Yuko TOGASHI
1
,
Namiko NAGAOKA
2
1国立がん研究センター中央病院看護部/がん化学療法認定看護師
2国立看護大学校
pp.24-27
発行日 2022年1月1日
Published Date 2022/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_kango27_24
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はじめに
がん患者が体験する苦痛症状の中でも,悪心・嘔吐は発生頻度も高く,症状を緩和することは患者の治療継続の意欲を支え,QOL向上のためにも重要である.悪心・嘔吐の原因には,がん病変によるもの(脳腫瘍,脳転移,消化器病変による閉塞など),治療によるもの(薬物療法や放射線療法によるものなど),緩和治療に用いられるオピオイドによるものなど,その原因はさまざまである.
本稿ではがん薬物療法に伴う悪心・嘔吐(chemotherapy-induced nausea and vomiting:CINV)に焦点をあて,近年着目されている患者による主観的評価,および2017年に承認されたオランザピンの投与管理について,当院の通院治療センター(以下,当センター)での取り組みの実際を紹介する.
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