特集1 いまはこうする がん看護 ~サポーティブケア~
【有害事象へのケア】
免疫チェックポイント阻害薬の副作用 ~irAEへの対応~
伊藤 直美
1
Naomi ITO
1
1国立がん研究センター東病院通院治療センター/がん化学療法看護認定看護師
pp.28-32
発行日 2022年1月1日
Published Date 2022/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_kango27_28
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はじめに
従来の化学療法は,細胞周期を阻害し,がん細胞の分裂・増殖を阻止する殺細胞性抗がん薬が主流であった.その後,がん細胞に特有の浸潤・増殖・転移にかかわる分子(タンパク質など)を標的にした分子標的治療薬が開発された.近年は自己の免疫機能を再活性化することで抗腫瘍効果を示す免疫チェックポイント阻害薬が登場し,化学療法からがん薬物療法へと用語も変化した.従来の殺細胞性抗がん薬とは異なり,免疫療法は自己免疫を活性化するため,自分自身を攻撃する副作用が出現する.そのため,全身性に観察し,有害事象の早期発見,対策がより重要となってくる.
© Nankodo Co., Ltd., 2022