特集 明日から使える免疫関連有害事象マネジメント ~免疫チェックポイント阻害薬の看護ケア~
第Ⅲ章 免疫関連有害事象マネジメント ~事例で学ぶ気づきのポイントとケアの実際~
【事例】 肝機能障害,肝炎
山上 睦実
1
1東京大学医学部附属病院看護部/がん看護専門看護師
pp.175-177
発行日 2022年2月15日
Published Date 2022/2/15
DOI https://doi.org/10.15106/j_kango27_175
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事例紹介
事例 80歳代,男性,肝臓がん
合併症と既往歴
糖尿病
現在の状況
再発肝臓がんの3次治療として,テセントリク®(アテゾリズマブ)+アバスチン®(ベバシズマブ)療法が導入された.入院下で初回投与後,明らかな副作用は生じず,無事退院となった.1コース目day 15に,老人ホームの看護師より,「本日体調不良を訴え,朝食は4割摂取できたが,その後に嘔吐を繰り返し,ベッドに寝ている.飲水は可能だが,摂食はむずかしく,老人ホームのため点滴加療は行えないがどのようにすればよいか」と当院へ連絡があった.精査のため翌日day 16に受診し,血液検査の結果,緊急入院となった.患者は鎮痛薬を含む内服ができず,腹痛も出現していた.
検査結果
day 16の血液検査結果:LD 699 U/L, AST(GOT) 736 U/L, ALT(GPT) 480 U/L, γ-GTP 211 U/L, ALP(IFCC) 299 U/L, T-Bil 2.7 mg/dL, D-Bil 1.0 mg/dL, BUN 37.3 mg/dL, Cr 1.62 mg/dL, eGFR 32.4 mL/分/1.73 m2, K 5.1 mmol/L, CRP 10.22 mg/dL, WBC 14.3×103 個/μL
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