検査データを考える
劇症肝炎の予後と肝機能異常
関山 和彦
1
,
与芝 真
1
1昭和大学藤が丘病院消化器内科
pp.176-179
発行日 1991年2月1日
Published Date 1991/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543900533
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劇症肝炎
劇症肝炎とは,わが国では1981年の第12回犬山シンポジウムにおいて表1に示すように定義され,現在,広く用いられている.国内の発生頻度としては年間100例前後の報告があり,生存率は約20%と予後不良な疾患である.成因はわが国では95%近くまでがウイルス性で,非A非B型が50%以上を占め,それらのほとんどがC型で亜急性型であり,その生存率は10%以下と予後は極めて不良である1).
当院では過去5年間に30例の劇症肝炎の治療を経験し,既報の強力な人工肝補助療法とインターフェロン療法により20例,67%の高い救命率を得ている.特に最近の2年間では20例中15例,75%もの高い救命率を達成している2,3).
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