特集 明日から使える免疫関連有害事象マネジメント ~免疫チェックポイント阻害薬の看護ケア~
第Ⅲ章 免疫関連有害事象マネジメント ~事例で学ぶ気づきのポイントとケアの実際~
【事例】 神経障害
土屋 雅美
1
1宮城県立がんセンター薬剤部
pp.171-174
発行日 2022年2月15日
Published Date 2022/2/15
DOI https://doi.org/10.15106/j_kango27_171
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事例紹介
事例 50歳代,男性,下咽頭がん
合併症と既往歴
食道がん(術後),アルコール依存症,うつ状態(適応障害),B型肝炎ウイルス抗体陽性
現在の状況
再発下咽頭がん1次治療としてキイトルーダ®(ペムブロリズマブ)療法が開始された.以前入院環境下で精神状態が悪化したエピソードがあったことから,外来で初回投与が行われた.明らかな有害事象の出現なく,合計4コースが投与された.4コース目day 10に本人より,数日前より両足のしびれがあり,徐々に脱力感が強くなってきたこと,支えなしには歩けないことについて,当院に電話連絡があった.その日は同居している内縁の妻が外出しており,病院に行くことができないとのことで翌日受診予定となった.翌日day 11,妻に連れられて受診したが,歩行困難に加えて下肢挙上が困難であり,精査・加療目的に緊急入院となった.
検査結果
頭部,脊髄MRI:所見なし
意識レベル:JCSⅠ
血液検査:血球数算定検査,生化学ともに特記事項なし.ビタミンB1欠乏なし.抗核抗体,抗甲状腺抗体陰性.抗アセチルコリン受容体抗体陰性
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