診断のポイント
慢性肝炎—肝機能検査のすすめ方
安部井 徹
1
1東邦大阿部内科
pp.1311-1312
発行日 1968年11月10日
Published Date 1968/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402202431
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慢性肝炎診断の出発点
急性肝炎がなかなか治らない.黄疸がとれない.SGOT,GPTが正常にならない.肝腫がとれない.脾腫がある.全身倦怠感がある.食欲が進まない.また一度治ったようにみえて,黄疸を繰返したり,GPTがわるくなったりする.あるいは,いつ発病したかわからないが,肝腫があり,クモ状血管腫や手掌紅斑があって,肝機能もわるい.このようなときに,われわれは一応,慢性肝炎を疑うわけである.
しかし,このような患者が,まだ急性期にあるのか,慢性に活動しているのか.または,肝小葉の改築,門脈域の線維化が進んで,肝硬変になっているのかは,肝生検をやってみないとわからないのであって,発病からの期間などを目標にしても,ほんとうのことを知ることはできない.
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