特集 明日から使える免疫関連有害事象マネジメント ~免疫チェックポイント阻害薬の看護ケア~
第Ⅲ章 免疫関連有害事象マネジメント ~事例で学ぶ気づきのポイントとケアの実際~
【事例】 甲状腺機能障害
宇土 しのぶ
1
1慶應義塾大学病院看護部/がん看護専門看護師
pp.178-182
発行日 2022年2月15日
Published Date 2022/2/15
DOI https://doi.org/10.15106/j_kango27_178
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事例紹介
事例 50歳代,女性,非小細胞肺がん
合併症と既往歴
IgA腎症(ステロイドパルス療法歴あり)
現在の状況
切除不能非小細胞肺がんに対する1次治療として,キイトルーダ®(ペムブロリズマブ)が導入された.入院下で初回投与後,免疫関連有害事象(irAE)の発症などの問題もなく退院した.IgA腎症の既往があり慎重なモニタリングのため,2コース目も入院下で投与の方針となり,今回,予定どおり入院となった.入院数日前(1コース目day 21ごろ)より倦怠感が出現し,身の回りのことは制限なく行えるものの,以前よりも活動量は低下している.
検査結果
入院時(1コース目day 26)血液検査:Na 138.1 mmol/L, K 4.8 mmol/L, LD 274 U/L, AST (GOT) 34 U/L, ALT (GPT) 34 U/L, ALP 201 U/L, Hb 12.7 g/dL, WBC 7.2×103/µL, FT3 1.0 pg/mL, FT4 0.3 ng/dL, TSH 62.20 µIU/mL,抗サイログロブリン抗体(TgAb) 陽性, 抗甲状腺ペルオキシダーゼ抗体(TPOAb) 陰性
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