特集 ここまでできる! プライマリケア―領域別で考えるプライマリケア医と専門医の役割
第7章:肝・胆・膵
[肝障害]ウイルス性肝炎
疋田 隼人
1
1大阪大学大学院医学系研究科 消化器内科学
pp.846-850
発行日 2025年4月1日
Published Date 2025/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika135_846
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プライマリケアでここまでできる!
・急性肝炎:AST・ALT値の上昇が比較的軽度で,肝予備能も保たれていれば,原因検索をしながらプライマリケアで経過観察が可能である.
・慢性肝炎:HBV-DNA量が2,000IU/mL(3.3LogIU/mL)未満,またはALT値が一度も30U/Lを超えない,非肝硬変症例のB型慢性肝炎患者,ウイルス排除後のC型慢性肝炎患者のフォローアップは,超音波検査などの画像スクリーニングが可能であればプライマリケアで経過観察が可能である.
ここからは専門医に任せよう!
・急性肝炎:AST・ALT値が100U/Lを超えてさらに上昇する症例,または肝予備能が低下する症例は早めに専門医へ相談することが望ましい.とくにB型急性肝炎(または再活性化症例)は要注意である.
・慢性肝炎:肝硬変を伴うB型慢性肝炎患者,非肝硬変で治療適応に悩むB型慢性肝炎患者,HCV-RNA陽性のC型慢性肝炎患者は,抗ウイルス治療の検討のため専門医へ相談したほうがよい.

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