今月の症例
外国人がん終末期患者に対する緩和ケアの経験
尾形 由貴子
1
Yukiko OGATA
1
1雪の聖母会聖マリア病院キャンサーセンター/がん看護専門看護師
pp.713-715
発行日 2021年11月1日
Published Date 2021/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_kango26_713
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はじめに
在日,訪日外国人が国内医療機関を受診する機会が増加している現状より,健康・医療戦略推進本部は医療機関向けマニュアル「在日外国人に対する適切な医療等の確保に向けた総合対策」をまとめ,公表している1).
しかしマニュアルで示されていることは,受診方法,トラブル防止などのシステムについてであり,臨床の現場,とくに緩和ケアの場において有用となるような情報は示されていない.
自施設では,外国人患者受け入れとして,常勤の外国人通訳者の配置や翻訳機器の常備,診療書類の翻訳などの整備をしている.受診する外国人は,月平均約30名であるが,その多くは日本居住の軽症患者であり,診療への影響はそれほど大きくはない.
今回,自施設でがん治療を選択した訪日外国人を経験した.コミュニケーション,文化的背景に悩みながら,終末期の支援を行ったので報告する.
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