特集 研究を活かしケアにつなぐ看取りのエビデンス
死に向かうからだと症状
せん妄
菅野 雄介
1
Yusuke KANNO
1
1横浜市立大学医学部看護学科
pp.678-681
発行日 2021年11月1日
Published Date 2021/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_kango26_678
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
はじめに
せん妄は,「急激に発症し,全般的な認知機能の障害,意識レベルの変化,注意力の低下,精神運動性の興奮あるいは低下,睡眠覚醒サイクルの乱れを特徴とする一過性の器質性障害」と定義される1).せん妄は,死亡前数日の看取りの時期では高頻度で起きる症状の一つであり2,3),また予後を予測する因子でもあるため4),患者と家族が安楽に安心して最期を迎えられるように治療やケアを提供していく必要がある.本稿では,終末期せん妄を「死亡前数日の看取りの時期に生じる,改善が見込めない不可逆的なせん妄」と設定し,終末期せん妄を有するがん患者とその家族への看護について最新の知見も含め紹介する.
© Nankodo Co., Ltd., 2021