特集1 いまはこうする がん看護 ~サポーティブケア~
【症状緩和】
ここまでわかってきた! 吃逆のケア
菅野 雄介
1
Yusuke KANNO
1
1横浜市立大学医学部看護学科
pp.12-15
発行日 2022年1月1日
Published Date 2022/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_kango27_12
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はじめに
吃逆(hiccups)は,横隔膜と呼吸筋の収縮運動が繰り返され声門が閉塞すると起きる症状であり1),“ヒック(hic)”という音の響きが名前の由来ともなっている.吃逆は,発生頻度により,数分から数時間で消失する急性,48時間以上続く持続性,1ヵ月以上続く難治性に分類される2).臨床では,吃逆を有する患者に対し何かしらの緩和策を提案したとしても,自然に消失するからと言われ,経過観察となったケースを経験したことはないだろうか.吃逆の発生頻度にもよるが,上記のケースのように,経過観察で消失するであろうという不確かな推測により過小評価される傾向にあり,持続性や難治性の場合,身体的,心理社会的な苦痛が生じるだけでなく,患者のQuality of Lifeに影響を与える3).そこで本稿では,持続性と難治性の吃逆を中心に,その治療戦略2)について説明する(図1).
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