特集1 これだけは知っておきたい!
オピオイド
がん疼痛の緩和において薬物療法をより効果的にいかす看護実践
荒尾 晴惠
1
Harue ARAO
1
1大阪大学大学院医学系研究科保健学専攻看護実践開発科学講座
pp.5-6
発行日 2021年1月1日
Published Date 2021/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_kango26_5
- 有料閲覧
- 文献概要
はじめに
がん疼痛は,がん種を問わず患者の50%以上が体験しているといわれており,疼痛を緩和してその人らしい日常生活が継続できるように支援することは,がん看護の重要な課題である.
がん疼痛はトータルペインの概念を用いて説明される身体的,精神的,社会的,スピリチュアルな側面から構成される包括的な痛みである.このうち,身体的な痛みの緩和には,適切な薬物療法が重要である.実際に薬物を処方するのは,医師であるが,薬物療法を安全に遂行するためには,主観的な患者の痛みに関する情報収集,適切に服薬できるかどうかのアセスメント,服薬に伴うセルフケア支援,薬物の効果や副作用の評価といったことが必要となり,看護師が果たす役割は大きい.また,がん疼痛に対する治療は多職種からなる医療チームで行われ,看護の視点から患者支援をしていくことが求められている.
© Nankodo Co., Ltd., 2021