特集1 これだけは知っておきたい!
オピオイド
特集1にあたって
荒尾 晴惠
1
,
岡本 禎晃
2
Harue ARAO
1
,
Yoshiaki OKAMOTO
2
1大阪大学大学院医学系研究科保健学専攻
2市立芦屋病院薬剤科
pp.1-1
発行日 2021年1月1日
Published Date 2021/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_kango26_1
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- 文献概要
がん疼痛は,がん種を問わず患者の50%以上が体験しているといわれており,疼痛緩和はがん看護の重要な課題です.がん疼痛の緩和には適切な薬物療法が重要ですが,薬物療法にいたるまでの看護師の観察や判断とそれに基づいた看護,および薬物の投与,与薬に関する継続的な観察や判断とそれに基づいた看護が求められています.
しかし,がん疼痛に関する薬物療法に関しては,次々と新しい薬の台頭があります.そのため,臨床現場で看護師は,常に知識をアップデートし,看護に反映していかなければなりません.
そこで今回の特集では,がん疼痛の薬物療法のうち,近年使用されるようになったものを含め,主要なオピオイド製剤に焦点を当てて取り上げました.
「医師の指示で患者さんに薬をわたしている」,「薬の説明は薬剤師がやってくれる」という現場の声を聴きます.では,看護師はなにができるのでしょうか.
本特集では,看護師が,がん疼痛の薬物療法にかかわる際に押さえておきたい最低限のポイントとなる知識を網羅し,看護にどう活かせばよいのかを明記しました.
各薬剤の項目では,薬剤の特徴や作用機序などの解説を薬剤師に,「看護の視点から注意すること」を看護師に役割分担して執筆いただきました.
この特集号が手元にあれば,“がん疼痛ケアに活用できる!”を目指した特集です.皆さまの実践に活用されることを期待しています.
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