特集1 これだけは知っておきたい!
オピオイド
メサドン
岡山 幸子
1
,
松田 良信
2
,
岡本 禎晃
3
Sachiko OKAYAMA
1
,
Yoshinobu MATSUDA
2
,
Yoshiaki OKAMOTO
3
1宝塚市立病院看護部/緩和ケア認定看護師
2市立芦屋病院緩和ケア内科
3市立芦屋病院薬剤科
pp.29-31
発行日 2021年1月1日
Published Date 2021/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_kango26_29
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メサドンの特徴
・μ受容体に選択的に作用する合成のオピオイド.
・MDA受容体阻害作用により,神経障害性疼痛にも鎮痛効果が期待されるとともに,オピオイド耐性が解除される.
・ほかのオピオイドと交叉耐性注1が不完全である.
・セロトニン再取込み阻害作用による効果も期待されている.
・主たる代謝はCYP3A4,CYP2B6で,代謝物に活性はない.
・半減期が長いため,効果が安定するのに数日から1週間を要する.
・上記の理由から,増量も数日から1週間間隔で行う(添付文書では1週間ごと).
・鎮痛効果はモルヒネから切り替え時は5~20倍で,メサドンからモルヒネへの切り替えは同量で行いタイトレーションする.
・便秘,傾眠,悪心・嘔吐,せん妄などの副作用はほかのオピオイドより頻度も程度も少ない.
・剤形が内服製剤のみである.
・原薬の作用が長いため,徐放製剤ではないが,1日2~3回の服用で鎮痛効果が持続する.
© Nankodo Co., Ltd., 2021