特集 進行・再発がん患者へのケア
進行・再発がん患者の重要な局面のサポート ~伴走者としての看護師の役割~
入江 佳子
1
Yoshiko IRIE
1
1筑波大学附属病院看護部/がん看護専門看護師/緩和ケア認定看護師
pp.197-199
発行日 2021年3月1日
Published Date 2021/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_kango26_197
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進行がんや,治療後のがんの再発の告知は,患者にとって,がんを完全に治す治療ではなく,がんと付き合っていく治療のスタート地点に立つことを意味する.また,治療効果が得られなくなったとき,生命や生活に影響を及ぼす症状が出現したとき,有害事象がつらくなったとき,社会生活に支障をきたしたときなど,急な状況の変化の中,むずかしい意思決定を迫られる.昨今がん治療の場は外来が中心になってきており,重要な局面の説明や意思決定が外来で行われることが多く,医師の説明や説明後のサポートに十分時間を取ることがむずかしいことが多い.
進行・再発がん患者の看護に携わる看護師は,それぞれの重要な局面で,強い不安を抱える衝撃の渦中にある患者や家族の伴走者となり,気持ちに寄り添いながらサポートできる力を備えておくことが求められる.
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