連載 がん患者・家族の質問に答えられる! 押さえておきたい“お金と制度”の話 【新連載】
がんと診断された初期の事例 ~お金の悩みを引き出すコツ~
雑賀 祐子
1
Yuko SAIKA
1
1和歌山県立医科大学附属病院がん相談支援センター
pp.573-577
発行日 2020年7月1日
Published Date 2020/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_kango25_573
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連載にあたって
相談の場面で,第一に経済面について話を聞きたいと来られる方はめずらしく,たいがいはどのように切り出したらよいか,あるいはお金のことを相談してもよいのかと迷っていることが多い.そのため医療者は,相談者の語りの中から真のニーズを引き出し適切な支援を提供する必要がある.
がん患者の経済支援に活用できる各制度の詳細は,本誌『がん看護』25巻4号の特集で取り上げたので,参照いただきたい.
それを受け本連載では,がん相談窓口での対応事例を挙げ,経済的な問題を説明する流れと具体的な方法をお伝えできればと考えた.これらについてはがん相談の窓口だけではなく,病棟や外来での患者さんとの相談場面で活用できると考える.がんを抱えて生きていく患者さんの支援に役立てば幸いである.
はじめに
連載一回目はがんと診断された初期の事例を取り上げる.告知を受けた当初は患者自身の将来的な見通しが立たず,不安な日々を送ることが多い.身体的なことはもちろんのこと,今ある日常の生活を変えなくてはならないのではという不安が湧いてくることもあるかもしれない.患者のそういった不安にいち早く気づきサポートできるのは看護師あってのことではないだろうか.
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