特集 看護現場に経営学的視点を
看護とお金
木村 憲洋
1
1高崎健康福祉大学健康福祉学部医療情報学科
pp.199-202
発行日 2010年3月10日
Published Date 2010/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686101693
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病院経営が年々厳しくなるなか,看護部門の重要性が増している。自由民主党から民主党へ政権が交代し,医療についても明るい兆しが見られたかに思われたが,どうも医療費抑制が続いていくことになりそうである。そんななか,医師の業務をどのように分担していくかが問題になっている。この流れのなかで浮上してきたナースプラクティショナー(以下,NP)は,米国では医師との業務分担において先行しているため,近年注目が集まっているといえるだろう。
このようなNPへの注目度が高まるなか,看護部門の重要性も増している。その背景には,急性期入院医療のDPC化と病院収益の入院基本料への依存体質が深まっていることがある。急性期入院医療がDPCへ移行することは,診断群別の包括支払いに対する粗診粗療の懸念があり,今後は医療の質に対する関心が強まることは間違いない。急性期入院医療の質を構成するのは,医師の技術と看護にあることは間違いないため,看護部門の善し悪しが医療の質に影響を与えることになる。
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